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AIの実務

AIエージェントの社内検索|資料をつないだ後の検索漏れを確かめる

社内資料への接続が成功しても、AIが必要な資料を検索できるとは限りません。Gleanの初回同期進捗の案内を手がかりに、取得・索引・検索・回答を分け、検索漏れと更新反映を確認する方法を解説します。

資料トレーと青い虫眼鏡の検索パネルの間に、処理途中の灰色タイルを配置した白と青の立体イメージ

社内の共有フォルダーをAIエージェントにつないだのに、必要な手順書が回答の根拠に出てこない。接続テストは通っているため、指示文を直すべきか、資料の取り込みを待つべきか判断に迷う場面があります。

こうしたときは、接続できたこと、資料が検索対象になったこと、質問に合う資料が見つかったこと、その内容を正しく回答したことを分けて確認します。進捗率だけで利用開始を決めず、対象業務で必要な資料が見つかるかを確かめることが大切です。

最近の動き:初回同期の途中でも、検索準備の目安を見る

Gleanは2026年10月27日付のリリースノートで、新しく接続したGoogle DriveとBoxについて、管理者が初回同期中の索引作成の進捗を確認できる機能を案内しました。資料の検出が終わると、接続のOverview画面に、優先度の高いコンテンツを収集・索引化した進捗の推定値が表示されるという内容です。

ただし、この割合は代表的なサンプルに基づく推定であり、保存元にある全文書を一件ずつ数えた割合ではないと説明されています。10月28日に確認した案内で、対象は新しいGoogle Drive・Box接続です。自社の接続先への反映時刻や、他のデータソースにも同じ表示があることまでは、この発表から断定できません。Glean公式リリースノート

Gleanの公式FAQも、資料を収集する処理と、検索できる状態にする索引作成を区別しています。初回同期中の処理速度と、初回同期後の日々の変更反映を見る指標も別です。Glean公式FAQ

以下はこの区別を手がかりにした、IvyLeapの確認手順の提案です。Gleanだけの操作手順や、すべてのAI製品に共通する仕様を示すものではありません。例は説明用の仮想例です。

支援内容を詳しく見る → / AI社員アイビーを見る →

1.進捗率の対象を、先に確認する

「ほぼ終わっている」という表示を見たら、まず何を分母としているかを確認します。全ファイルなのか、対象に選んだ範囲なのか、サンプルからの推定なのかで、読み取れる意味が変わります。

例えば、よく使う一般向けの手順書が検索できても、問い合わせ窓口が必要とする製品別の例外手順まで含まれているとは限りません。進捗率は処理状況の目安として記録し、業務上の準備ができたかは別に判断します。

管理担当者とそろえたい項目は次の四つです。

  • 接続した保存元と、取り込み対象に含めた範囲。
  • 表示が表す処理段階と、割合や件数の数え方。
  • 検出中・収集中・索引作成中など、残っている処理。
  • 表示を確認した日時と、エラーや除外の有無。

範囲や数え方が分からない場合は、百分率を社内報告の「準備完了率」と言い換えず、製品の説明に沿った名前で伝えます。

2.対象業務の「見つかるはずの資料」を選ぶ

まず試す資料は、検索結果を見てから選ぶのではなく、元の保存先で存在と内容を確認して選びます。見つかったものだけを点検すると、最初から検索に出ない資料が確認対象から抜けるためです。

仮に、製品の操作案内を担当するAIエージェントなら、通常の利用手順に加え、よくある例外、最近改訂した手順、別の保存場所にある補足資料を選びます。件数を一律に決めるより、実際に受ける質問と保存場所の違いを押さえます。

確認メモには、資料名・保存先を識別する情報・更新日時・質問例・根拠に使ってほしい箇所を残します。これらは社内で閲覧が認められた範囲で扱い、検証用データには必要のない顧客情報を含めないようにします。

資料の読みやすさや内容の整理と、取り込まれたかどうかの確認は別の作業です。今回は、すでに存在する必要資料が検索に届いているかを確かめます。

3.見つからない段階を、回答からさかのぼる

回答が不十分だったとき、指示文だけを直し続けても、資料自体が未取得なら解決しません。確認できる範囲で、次の順に切り分けます。

  1. 保存元:対象資料が存在し、指定した取り込み範囲に含まれているか。
  2. 取得と索引:対象資料の取得・解析・索引作成が終わっているか。除外や処理エラーがないか。
  3. 検索:実際の利用者で検索したとき、必要な資料や該当箇所が候補に出るか。
  4. 回答:候補に出た正しい資料の内容が、回答の根拠として使われているか。

保存元にあり、取り込み対象にも含まれているのに検索できない場合は、処理状態や解析の問題を調べます。一方、資料は検索できるのに回答が別の版を使っているなら、候補の選択や回答生成の段階を調べる必要があります。

管理者では検索できても、現場の利用者には表示されないこともあります。その場合に検索漏れを埋める目的でアクセスを広げず、本人の閲覧権限と検索時の扱いを確認します。権限設計の方法はAIエージェントの検索権限で別に解説しています。

検索候補や処理履歴を確認できない製品では、調べた入力・利用者・資料・時刻・実際の回答をまとめて管理担当者に渡します。「資料がない」と確定せず、どこまで確認できたかを記録します。

4.初回の取り込みと、その後の更新を別々に試す

初回同期が終わっても、資料を改訂したときに同じ速さで反映されるとは限りません。利用するコネクターの更新方式や処理状況に合わせて、更新後の確認手順も決めます。

検証用の手順書を使い、承認された変更を加えた日時、検索結果に新しい内容が出た日時、回答で新しい内容を確認した日時を分けて記録します。以前の回答が会話の中に残っている場合は、新しい会話でも確かめ、会話履歴の影響と検索の更新状況を切り分けます。

ここで測った一例を、すべての資料に保証される反映時間として案内しないようにします。利用開始時に確認した保存元・資料の種類・条件と、未確認の範囲を一緒に残すと、その後の問い合わせにも対応しやすくなります。

5.必要資料を確認できた範囲から、利用開始を判断する

社内向け操作案内など、対象を限定して始められる業務では、「確認済みの資料で答えられる質問」と「確認待ちの範囲」を整理して公開する方法があります。問い合わせ窓口で使う場合も、根拠を取得できなかったときに、推測で手順を補わず担当者へ引き継げるようにします。

逆に、欠けている資料が例外処理の判断に欠かせず、代わりに確認する窓口もないなら、進捗率が高くても、その範囲の利用開始は待つ判断が必要です。製品の表示が正常なことと、対象業務で利用してよいことを分けて決めます。

利用開始前には、次の六点を確認してみてください。

  1. 進捗表示が表す対象と数え方を説明できる。
  2. 元の保存先から選んだ必要資料で、検索できることを確認した。
  3. 保存元・取得と索引・検索・回答のどこで問題が起きたかを記録できる。
  4. 管理者だけでなく、実際の利用者で確認した。
  5. 初回同期とは別に、資料を更新した後の反映を試した。
  6. 根拠を取得できない質問の扱いと、確認待ちの範囲を決めた。

社内資料への接続後に回答が安定しない場合は、指示文の改善だけでなく、必要な根拠が回答まで届いているかを見直しましょう。IvyLeapでは、対象業務に合わせたAIエージェントの構築や、問い合わせ窓口に使うAIコールの設計について相談を受け付けています。

参考資料

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