本文へスキップ
Ivy Leap0120-599-975お問い合わせ
← ブログ一覧へ

AIの実務

AIエージェントの運用監視|異常検知から停止・再開までの決め方

GoogleのAgent Anomaly Detection発表を手がかりに、AIエージェントの運用監視を解説。異常の通知先、停止する範囲、処理結果の確認、再開条件を企業向けに整理します。

AI業務の流れを表す白いキューブを青い拡大鏡で確認し、一時停止ボタンを添えた立体イメージ

AIエージェントが「完了しました」と返したとき、その裏でどの操作を何回行ったかまで確認できていますか。日々の運用では、回答の自然さやエラー件数に加えて、業務の範囲を守って動いたかを見られるようにしておくと、問題が起きた際に判断しやすくなります。

2026年9月16日、GoogleはGemini Enterprise Agent Platform向けの「Agent Anomaly Detection」をPrivate Previewとして発表しました。実行の記録を非同期に分析し、想定範囲から外れた振る舞いを見つける機能です。企業にとっては、AIの回答だけでなく、実行した操作も監視する考え方の具体例になります。Google公式発表

本記事では、この動向を踏まえ、製品を問わず検討したい監視と対応の手順をIvyLeapの実務提案としてまとめます。以下の業務例は仮想例であり、当社の導入実績やGoogle製品の標準設定を示すものではありません。

「異常を見つける」と「処理を止める」を分けて考える

監視を導入する際は、通知が来た後に誰が何をするかまで決めます。例えば顧客対応エージェントが同じ確認処理を繰り返しているとき、担当者への通知だけでよいのか、その案件の処理を一時停止するのかで、必要な仕組みが変わります。

特に、記録を後から分析する方式では、結果が分かった時点で処理が進んでいる可能性があります。検知機能を有効にしたことと、問題のある操作を実行前に防げることを同じ意味にしないようにしましょう。

なお、今回のGoogle機能は一般提供ではありません。2026年9月24日時点で確認した公式資料には、利用承認に加え、対応する実行環境やログ設定などの条件があります。資料の更新日は9月22日です。自社で使えるかは、最新の条件を確認して判断してください。Google公式ドキュメント

支援内容を詳しく見る → / AI社員アイビーを見る →

最初は「何が普段と違うと困るか」を業務の言葉で書く

監視項目を決める前に、担当業務の通常の動きを短く説明します。問い合わせ受付なら、「対象の問い合わせを読み、必要な案内を作り、担当者へ渡す」といった書き方です。その説明から外れる動きを、調査のきっかけとして整理します。

最初に検討する例は次の三つです。

  • 同じ案件で同じ操作が続く:照会を繰り返し、次の処理に進まない。
  • 想定外の操作が現れる:案内文を作る業務なのに、記録の変更や削除を試みる。
  • 処理範囲が広がる:一件の問い合わせを扱うはずが、多数の顧客情報をまとめて取得する。

これらは、見つけた時点で直ちに不正と断定するための基準ではありません。正当な一括処理や一時的な障害など、業務上の理由がある場合もあります。通常の処理と比較し、担当者が理由を確認できることが重要です。

通知の基準は一律の数値を借りるよりも、自社の試行記録と担当者の判断を基に決めます。通知が多すぎて確認しきれない場合は、対象業務や優先度を見直します。

通知には「対象・操作・担当者・次の判断」をそろえる

「異常が発生しました」だけでは、現場は調べるところから始める必要があります。通知を受け取った人が、少なくとも次の内容にたどり着けるようにします。

  1. どの実行か:案件ID、実行ID、発生時刻。
  2. 何が気になったか:操作名、繰り返し回数、通常と違う範囲。
  3. 今どこまで進んだか:実行中、停止済み、結果不明などの状態。
  4. 誰が確認するか:一次確認の担当者と、不在時の引き継ぎ先。
  5. 何を判断するか:継続、案件単位の停止、業務全体の停止など。

調査用の記録と、通知本文は分けて設計します。通知に顧客の会話や個人情報をすべて貼り付けるよりも、必要な識別子と状況を載せ、権限のある担当者が詳しい記録を開ける形を検討してください。

停止は、影響する範囲を確認して選ぶ

仮に、AIコールの後処理で同じ予約への書き込みが繰り返されているとします。この場合、電話受付全体を止める方法のほかに、該当案件の書き込みだけを保留し、担当者に確認を回す方法も候補になります。

ただし、実際にその切り分けができるかはシステム構成によります。運用開始前に、開発担当と次の点を確認しておきます。

  • 案件単位で停止できるか、機能全体の停止が必要か。
  • 停止を指示した後も、すでに開始した外部操作が完了する可能性はあるか。
  • 利用者へどのように案内し、途中の業務を誰へ引き継ぐか。
  • 止めた時点の状態と、外部システムでの処理結果を確認できるか。

「停止ボタンを押した」だけで対応完了とせず、止まった範囲と残っている処理を確認します。人への引き継ぎはAIコールの引き継ぎ設計も参考になります。

再開前に、処理結果を確かめる

一時停止から再開するときは、原因の修正に加えて、直前の操作が実際に完了したかを確認します。結果が不明なまま同じ操作を繰り返すと、二重登録などにつながる可能性があります。

例えば予約登録なら、まず予約先のシステムで対象の登録状況を確かめます。登録済みであれば次の工程から再開し、未登録なら必要な確認を済ませてから実行します。照合できない場合は、担当者が処理方法を決めるまで保留する運用を用意します。

再開の記録には、確認した結果、修正した内容、再開を判断した人、再開した範囲を残します。広く再開する前に限定した対象で動作を確かめるなど、影響に応じた手順を決めておくと、現場で判断しやすくなります。

監視を始める前の打ち合わせで決めたいこと

最初の打ち合わせでは、任せる業務を一つ選び、「正常な操作の流れ」「確認したい例外」「通知先」「止め方」「再開条件」を一枚にまとめてみてください。監視サービスの選定と同時に、現場が対応できる運用を作ることが大切です。

導入前の品質確認はAIエージェント・AIコールの評価方法、個別のメール送信を承認する設計は送信前の承認フローで解説しています。本記事の運用監視と組み合わせ、実行前の確認から実行後の対応までつなげて考えましょう。

IvyLeapのAIエージェント構築・AIコール関連サービスについては、現在の業務と運用上の課題を添えてお問い合わせください。

※製品の提供状況と資料は2026年9月24日に確認。機能や利用条件は今後変更される場合があります。

支援内容を詳しく見る → / AI社員アイビーを見る →